「俺としては一気に進めたいな」

「だと思った」

いい案を出してくれた兄貴とこぶしを合わせた。


「全く宮野家の男は待てができないんだから(笑)」

「姫乃も結構即決なんだよ(笑)俺が忙しいって言ったら手伝えることはないかとか」

「KOGUMAの社員なんだろ?」

「そうなの?だったら着付けもできるの?」

「出来るな」

「そこそこ大企業だけど、辞めるかな?」

「ちょっと話しただけだけど多分辞めて『宮乃』で働きたいんじゃないかな」

「ひふみは一緒に働きたいな〜、姫ちゃん可愛い」

「センスもいい、今年の振袖の買い付けに来たんだよ」

「それは有望株だな、今までベテランばかりだったのに」

「そうなんだよ、3年目で教育係もしてた」

「まあ、仕事の事は無理は言わない事ね」

母親がたしなめた。


「わかってる」


「あの……」

姫乃が戻ってきた。

「ん?連絡ついたか?」

「みんな来たいって、すみません!」

「やったー、じゃあパパに電話してくる」

ひふみが今度は電話をしに部屋から出た。

「一気に顔合わせが出来ていいんじゃないか」

太志さんがそう言ってくれた。

「そうかもです、みんながスケジュール合わすのが難しくて」

「何人いるの?」とお母さんに聞かれた。