「うわぁ、伊勢海老プリプリだね、只志さん」
「美味いな、ボイルも食べたい」
太志さんがお兄さんの前にすっとお皿を出してお兄さんは1つもらっていた。
「いいなぁ」
「私のもどうぞ」とひーちゃんに渡した。
回してくださいとひーちゃんに言うとご両親にも食べてもらえた。
「ボイルもいいね」
「お味噌汁も美味しいわ」
「ありがとうございます」
お父さんは鯛と伊勢海老で迷ったんだよなと言っていた。
でも刺身になるからなぁと一応考えてくれたみたいだ。
鯛も煮付け、塩焼き、鯛めしとか色々出来るんでそこまで悩まないでくださいと姫乃は言っておいた。
「それで、父さんらはいつ姫乃さんのご家族と会えばいいんだ、太志」
「早い方がいいけどまだ決めてない、今日も急遽東京行く事になったから帰りに寄ろうかってなっただけで…なっ」
「はい、たまたま休みが合って急だったのにこんなに立派なお料理も用意していただいてすみません」
「姫ちゃんが謝ることはないのよ、絶対太志が急に決めたんだから」
そりゃ俺が決めるさと太志は開き直っていた。
「ご実家は遠いの?」
「凄く山奥で車で2時間くらいはかかります」
初めて聞いたなと太志は言った。
だってまだお互いの事全然知らないからね。