姫乃はスマホの時計を見ると駐車場から10分ほどかかっていた。
「立派なお庭だね、お家も広い」
「古いけどな」
ガラガラと広い玄関を開ける。
「ただいま」
「こんばんは」
奥からお兄さんが出てきた。
「おかえり」
「これ、従業員の土産と家には2人からの土産」
「ありがとう」と姫乃の方にお礼を言われてしまった。
「いえ」と姫乃は答えた。
広い客間に通された。
人数分の座布団が出されている。
応接台の上には握り寿司が置いてあった。
エアコンを結構効かせているのはその為みたいだ。
「あれだけ言っても兄貴は自分が寿司が好きだから寿司を取るんだよ」
「太志らの席には置いてないだろ」
本当だ、お寿司以外にオードブルが並べられていた。
仕出し料理で有名なお店だった。
「キャー」
3人はびっくりして声のする方へ行った。
「ひーちゃんどうした?」
「伊勢海老が跳ねたの、びっくりして叫んじゃった」
発砲スチロールに入っていて活きのいい伊勢海老が何匹かはいっていた。
「これ、どうしたのさ」
「太志くんから連絡あってからお義父さんが魚屋に注文したみたいで届いてたの」