「姫乃は決断が早いよなぁ」
「太志さんもでしょ(笑)」
「お互いだな」
姫乃は太志の隣にぴたっとひっついて座った。
「ごめんなさい」
「何が?」
「勝手に話を進めようとして『宮乃』に申し訳なかった」
「あー、まあ、でも指輪を渡したのは俺だし、そんなに喜んでくれたなら俺も嬉しいが、姫乃の両親にも会わなきゃいけない」
「私の家は大丈夫、5人兄弟の真ん中で放任主義だから」
「どおりで世話好きだな、姫乃と結婚を考えているのは事実だから、お互いの両親に会ってから話は進めよう」
「はい」
「寝るか、明日送って欲しい」
「うん!」
姫乃は太志の懐に入ると腕枕をしてくれてすぐに眠った。
疲れているよね……
「大好き」と姫乃は言って腕を回して眠った。
スマホのタイマーが鳴っている……
姫乃は飛び起きた。
「起きて!太志さん!」
「う〜ん、ギターで起こしてくれるんじゃないのかよ」
「ごめん、私、昨日自分の起きる時間にタイマー入れてて、『宮乃』に寄らなきゃいけないのに」
太志が来たときにはすでにタイマーをセットしていた姫乃
バタバタしていていつもより早く起きなきゃいけないのをすっかり忘れていたのだ。
太志の腕を引っ張って体を起こそうとしたが190cm近くある人を150cmの女の力では起こせない。
「わかったから」と太志は言って体を起こした。
「ふう…」