「……良かった…」

「何がだよ、連絡は出来ねえし、仕事はたまってるし、木曜日会ったら髪切ってるし散々だ」

「髪はごめん、連絡くれないからもうダメだと思ったの、火曜日に美容院行く予定にしてたからヤケになっちゃって…切って染めちゃった」

「髪切るくらいかよ」

「そうだよ、めちゃくちゃ泣いたんだから、だって日曜日にすぐ連絡くれるかと思ってたんだもん、配達だって早くて来月からかと思ってたし……振られたと思ったんだもん」

「…ごめん、また髪伸ばして欲しい」

「うん、太志さんが髪を触るの知ってるからまた伸ばすね」

「俺、そんなに髪触ってるか?」

「うん(笑)」

おっかしいなぁとぶつぶつ言っていた。


太志は姫乃に渡した箱に気づき箱を開けた。

「サイズどうだった?」

「ここしか入らないの」

姫乃は自分の左手の薬指を指した。

「そのつもりで買ったんだが?」

「え?本当に?」

「あぁ」

「まだ出会って4ヶ月だよ?」

「俺はダラダラ付き合うつもりは元々ない、もう28がくるし、直感だと思ってる、姫乃とは身体の相性もバッチリ合うし充分だ」

俺が女の家に行くなんて姫乃以外は今までいないと言ってくれた。