亜矢は、マンションの1階にある部屋のドアの前に立っていた。
『魔王』という表札が堂々と掲げられた部屋のドアの前に。
(……なんか苦手なのよね、ここ……)
この部屋には、魔王とアヤメの夫婦が暮らしている。
亜矢の分身・アヤメが、魔王とラブラブな生活をしているのだ。
……なんだか近寄り難い。
正直、その現実を見るのが怖いというか……。
魔王に朗報を伝えに来たはずなのに、何故こんなに踏み止まってしまうのか…。
亜矢は意を決して、ドアの横のインターホンを押す。
すると、すぐにアヤメの「は~い」という呑気で甘ったるい声が返ってきた。
来客が誰なのかも確認せずに玄関のドアが開いた。なんとも不用心だ。
「あっ、亜矢さん。いらっしゃい!」
そんな笑顔のアヤメを映す亜矢の目は限界まで見開いてしまった。
目の前にいるのは、エプロン姿のアヤメ。
メイドのような、ピンク色でフリフリの可愛いタイプのエプロンだ。
だが……エプロンの下は、黒い下着しか着ていない。
「ちょっ!な、何してんの、アヤメさん!?」
バァン!!
慌てて亜矢は中に入ると、玄関の内側からドアを思いっきり閉めた。
誰かに見られたら大変だ。
だが、アヤメは慌てている亜矢を不思議そうに見ている。
「なんで、下着に、エプロン……!?」
「あっ、コレですか?オランが、こう着るのも正しいって教えてくれたんです」
「あ、あのエロ魔王~~!絶対に叩いてやる~~~!!」
亜矢は怒りで拳をプルプルと震わせた。
裸エプロンだけでは足らず、下着エプロンまで教え込ませていたとは……。
何というか……かえって裸よりもマニアックだ。
純粋なアヤメにピンクのエプロン、その下に映える黒い下着……
恐ろしい程に魔王の拘りを感じる。
「本当にアヤメさん、魔王に何されてるのか心配なんだけど……」
「あ、でもコレ、裸よりは暖かいんですよ?」
「そりゃ当然……って、そうじゃなくて……」
「でもオランったら、夜には剥ぎ取っちゃうんです。強引なんだから、もう……」
何を思い出したのか、アヤメは頬を赤く染めてモジモジし始めた。
「やっ…やめて、それ以上言わないで……!」
魔王を信じ切ってるアヤメは幸せそうなので、ツッコミにくい。
そんな複雑な心も知らず、アヤメは笑顔で亜矢を迎え入れる。
「オランも居ますから、どうぞ上がって下さい!」
あぁ、そうか……魔王が在宅だから不用心ではないのね……
と、そこは納得した亜矢だった。
『魔王』という表札が堂々と掲げられた部屋のドアの前に。
(……なんか苦手なのよね、ここ……)
この部屋には、魔王とアヤメの夫婦が暮らしている。
亜矢の分身・アヤメが、魔王とラブラブな生活をしているのだ。
……なんだか近寄り難い。
正直、その現実を見るのが怖いというか……。
魔王に朗報を伝えに来たはずなのに、何故こんなに踏み止まってしまうのか…。
亜矢は意を決して、ドアの横のインターホンを押す。
すると、すぐにアヤメの「は~い」という呑気で甘ったるい声が返ってきた。
来客が誰なのかも確認せずに玄関のドアが開いた。なんとも不用心だ。
「あっ、亜矢さん。いらっしゃい!」
そんな笑顔のアヤメを映す亜矢の目は限界まで見開いてしまった。
目の前にいるのは、エプロン姿のアヤメ。
メイドのような、ピンク色でフリフリの可愛いタイプのエプロンだ。
だが……エプロンの下は、黒い下着しか着ていない。
「ちょっ!な、何してんの、アヤメさん!?」
バァン!!
慌てて亜矢は中に入ると、玄関の内側からドアを思いっきり閉めた。
誰かに見られたら大変だ。
だが、アヤメは慌てている亜矢を不思議そうに見ている。
「なんで、下着に、エプロン……!?」
「あっ、コレですか?オランが、こう着るのも正しいって教えてくれたんです」
「あ、あのエロ魔王~~!絶対に叩いてやる~~~!!」
亜矢は怒りで拳をプルプルと震わせた。
裸エプロンだけでは足らず、下着エプロンまで教え込ませていたとは……。
何というか……かえって裸よりもマニアックだ。
純粋なアヤメにピンクのエプロン、その下に映える黒い下着……
恐ろしい程に魔王の拘りを感じる。
「本当にアヤメさん、魔王に何されてるのか心配なんだけど……」
「あ、でもコレ、裸よりは暖かいんですよ?」
「そりゃ当然……って、そうじゃなくて……」
「でもオランったら、夜には剥ぎ取っちゃうんです。強引なんだから、もう……」
何を思い出したのか、アヤメは頬を赤く染めてモジモジし始めた。
「やっ…やめて、それ以上言わないで……!」
魔王を信じ切ってるアヤメは幸せそうなので、ツッコミにくい。
そんな複雑な心も知らず、アヤメは笑顔で亜矢を迎え入れる。
「オランも居ますから、どうぞ上がって下さい!」
あぁ、そうか……魔王が在宅だから不用心ではないのね……
と、そこは納得した亜矢だった。