亜矢が、魔王の部屋のインターホンを鳴らす。
すると、妙に明るい「はーーい」という返事が返ってきた。
玄関のドアが開いて目の前の人物を見た瞬間に、亜矢の目も限界まで見開いてしまった。
そこに居たのは、エプロン姿のアヤメ。
メイドのような、ピンク色でフリフリの可愛いタイプのエプロンだ。
だが……エプロンの下には、何も着ていない。
「ちょっ!な、何してんの、アヤメさん!?」
バァン!!
慌てて亜矢は中に入ると、玄関の内側からドアを思いっきり閉めた。
誰かに見られたら大変だ。
だが、アヤメは平然とした顔で、慌てている亜矢を不思議そうに見ていた。
「なんで、裸に、エプロン……!?」
「あっ、コレですか?オランが、こう着るのが正しいって教えてくれたんです」
「あ、あのエロ魔王~~~!!」
自分の分身、しかも純粋無垢な少女に、一体何を教え込ませているのか……
亜矢は怒りで拳をプルプルと震わせた。
「まさか、その格好で外に出てないわよね!?」
「あ、それは大丈夫です。これじゃ寒いですし」
そういう事ではないのだが、アヤメの発言は天然で、どうも対応に困る。
「そんな格好してて、魔王に変な事されてない……?」
興味があった訳ではないが、亜矢は思わず質問してしまった。
だが、すぐにそれを後悔した。
何を思い出したのか、アヤメが頬を赤く染めて、俯き加減でモジモジしているのだ。
「夫婦ですし……しますよね……色々……」
「あ、うん……そ、そうよね………」
あぁ……聞いてはいけない事だった、と亜矢は遠い目をして思った。
アヤメは純粋無垢に見えても、すでに子持ちの人妻なのであった。
その時、アヤメの背後からパタパタと足音が近付いてきて、コランがヒョコっと顔を出した。
「アヤ、お帰り~!!」
コランはいつもの玄関でのお出迎えと同じように、亜矢の腰に抱きついた。
亜矢も笑顔で抱き返す。
「ただいま、コランくん。お母さんと一緒で楽しかった?」
「うん!ご飯作ってくれて、一緒に昼寝して、いっぱい遊んだ!!」
「そう。良かったね」
嬉しそうなコランを見ていて、亜矢も心底嬉しくなった。
コランは、見た目は5~6歳の子供だ。
本来は両親と一緒に暮らすべきだし、母に甘えるのは当然だと亜矢は思う。
だが、コランは亜矢と一緒に居る事を望んだ。
コランにとってアヤメは母親であるが、亜矢は……初めての『大切な人』なのだ。
やはり、魔王の息子。亜矢に惹かれた父と同じ道を歩いていく。
コランは亜矢と手を繋ぐと、アヤメと向かい合った。
「お母さん、じゃあなー!」
「うん。また明日ね、コラン」
アヤメは玄関で手を振って二人を見送った。
そこで、亜矢は気付いた。アヤメの左手の薬指の指輪に。
あれが結婚指輪なのだろう。魔王の瞳の色と同じ、深紅の宝石の指輪だった。
「それじゃあ、魔王によろしくね」
はやく、エプロンの下に何か着てほしい……
亜矢は、そう思いながら魔王家を後にした。
すると、妙に明るい「はーーい」という返事が返ってきた。
玄関のドアが開いて目の前の人物を見た瞬間に、亜矢の目も限界まで見開いてしまった。
そこに居たのは、エプロン姿のアヤメ。
メイドのような、ピンク色でフリフリの可愛いタイプのエプロンだ。
だが……エプロンの下には、何も着ていない。
「ちょっ!な、何してんの、アヤメさん!?」
バァン!!
慌てて亜矢は中に入ると、玄関の内側からドアを思いっきり閉めた。
誰かに見られたら大変だ。
だが、アヤメは平然とした顔で、慌てている亜矢を不思議そうに見ていた。
「なんで、裸に、エプロン……!?」
「あっ、コレですか?オランが、こう着るのが正しいって教えてくれたんです」
「あ、あのエロ魔王~~~!!」
自分の分身、しかも純粋無垢な少女に、一体何を教え込ませているのか……
亜矢は怒りで拳をプルプルと震わせた。
「まさか、その格好で外に出てないわよね!?」
「あ、それは大丈夫です。これじゃ寒いですし」
そういう事ではないのだが、アヤメの発言は天然で、どうも対応に困る。
「そんな格好してて、魔王に変な事されてない……?」
興味があった訳ではないが、亜矢は思わず質問してしまった。
だが、すぐにそれを後悔した。
何を思い出したのか、アヤメが頬を赤く染めて、俯き加減でモジモジしているのだ。
「夫婦ですし……しますよね……色々……」
「あ、うん……そ、そうよね………」
あぁ……聞いてはいけない事だった、と亜矢は遠い目をして思った。
アヤメは純粋無垢に見えても、すでに子持ちの人妻なのであった。
その時、アヤメの背後からパタパタと足音が近付いてきて、コランがヒョコっと顔を出した。
「アヤ、お帰り~!!」
コランはいつもの玄関でのお出迎えと同じように、亜矢の腰に抱きついた。
亜矢も笑顔で抱き返す。
「ただいま、コランくん。お母さんと一緒で楽しかった?」
「うん!ご飯作ってくれて、一緒に昼寝して、いっぱい遊んだ!!」
「そう。良かったね」
嬉しそうなコランを見ていて、亜矢も心底嬉しくなった。
コランは、見た目は5~6歳の子供だ。
本来は両親と一緒に暮らすべきだし、母に甘えるのは当然だと亜矢は思う。
だが、コランは亜矢と一緒に居る事を望んだ。
コランにとってアヤメは母親であるが、亜矢は……初めての『大切な人』なのだ。
やはり、魔王の息子。亜矢に惹かれた父と同じ道を歩いていく。
コランは亜矢と手を繋ぐと、アヤメと向かい合った。
「お母さん、じゃあなー!」
「うん。また明日ね、コラン」
アヤメは玄関で手を振って二人を見送った。
そこで、亜矢は気付いた。アヤメの左手の薬指の指輪に。
あれが結婚指輪なのだろう。魔王の瞳の色と同じ、深紅の宝石の指輪だった。
「それじゃあ、魔王によろしくね」
はやく、エプロンの下に何か着てほしい……
亜矢は、そう思いながら魔王家を後にした。