次に来たのは隣のクラス『みどりぐみ』。
年中のクラスらしい。
「はーいみんなー!来たよ~」
「蓮姉!みんな、蓮姉来たよー!」
「あっ蓮姉!・・・そいつだれ」
・・・なんか年中が年少と同じこと言ってる。
「・・・まぁ、お兄ちゃんだよ」
蓮雅もデジャヴだと気づいたのか、苦笑しながら俺をそう紹介した。
「お菓子配るよ~。一列に並んで~」
「お菓子!お菓子!!」
背の低い女を先頭に、全員がまっすぐ兵隊のように並ぶ。
「リカちゃんはこれだよ。あんちゃんはこっち。まぁくんはこれがいいでしょう?」
蓮雅は手慣れた様子で年少のように配り始め、ニコニコしているチビが教室を走り回る。
「あっこら!ゆうくん、走っちゃだめでしょー」
「・・・ごめんなさぁい・・・」
‟ゆうくん”は首を縮め、上目遣いに蓮雅を見つめる。
「ふふ、分かったならいいんだよ?気を付けてね?」
「はぁい!」
ゆうくんはすぐに元気になり、蓮雅に抱き着いてから自分の席に座った。
「喉に詰まらせないようにね~?」
蓮雅は全員に優しく声を掛け、年中の教室も出た。