学校に着き、私たちは体育館の横ある大きな空き教室に服を入れた。
ジャンルとサイズを確認しながら、お店のように服を並べていく。
反対側の教室は更衣室にして、『ショーに出場される方はこちらでお着替えください』という張り紙と『男子』『女子』という札を掛けた。
「接客の人は着替えてー!第1部に出る人はコーディネート初めて!」
ショーには1部から3部まであって、私は3部の一番最後。
それまで接客をお願いされた。
そして。
「蓮雅は1時間ごとに着替えてね!」
私はクラスの子から、1時間ごとに着替えるように言われた。
最初の1時間は執事服。
男の人みたいにヘアセットをしてもらった。
ほら、いるでしょ?
ヤンチャにサイドをみつあみにして、高いところで結ぶ男子。
それに加えてイヤモニと手袋、あと何故か不良(ヤンキー)っぽい鎖を付けてほしいというリクエスト通りに。
「できたよー」
「あ、蓮雅は執事なんだから一人称は私でいいけど丁寧語使ってね?」
「承知しました、お嬢様」
その女子に一礼してみると、嬉しそうに笑ってくれた。
ちなみに、家に居るみんなには午後に来てもらう事になっている。
ショーには参加してくれるみたいだし、きっとだれかがKing(キング)になるだろう。
センスがなくてもおそらく顔だけで。
するとナイスタイミングで。
「いらっしゃいませー!」
お客さんが来たみたいだ。