大広間に行き、私は男女の仕切り壁の右側へ。
そこにはお行儀良く寝る女子生徒たちが十数人いる。
ホントは合宿っぽくお玉とフライパン?鍋?を叩いて起こしたいんだけど。
それは近所迷惑だろうと他の手段を取ることにした。
起きていたお手伝いさんにお願いして氷嚢を2つ用意してもらって、両手に持つ。
それを2人ずつ、顔に付けていった。
「つめたっ!」
「ひゃっ?!」
「んぉっ!」
悲鳴を上げて飛び起きる女子たち。
この氷嚢、キンキンに冷えてるからねぇ、中身が。
「おはよ。起きた?」
笑顔で声を掛けると、みんなはバッとこっちを見てから肩を落とした。
「なんだ、蓮雅か・・・」
「もう、びっくりさせないでよ!」
「冷たすぎて死んだのかと思ったよ!」
「大袈裟だなぁ・・・」
次々に文句を言ってくるみんなに苦笑を零し、私は仕切り壁の反対・・・男子の方へ。
見るとまだ零亜はいない。
凛亜と琉亜って早く起きれないタイプ?
・・・あぁ、零亜が2人を起こすのに苦労しているところがよくイメージできる。
お疲れ、零亜・・・。
「男子ィ!あっさだぞぉぉぉぉっ!!」
女子より乱暴な手で起こしてみようとしたものの、起きたのはほんの数人。
「しょうがない・・・」
氷嚢を片方起きた男子に渡して女子と同じ手でお目覚めいただくことに。
「ほら起きろぉぉぉ」
顔にピタリ、ピタリと氷嚢を付けながら1人ずつ起こしていく。
「つめてぇ・・・って蓮雅?!」
「ぅわあわわわわわっ?!」
なにを言っているのか聞き取れない悲鳴を上げながら飛び起きていく男子たち。
ふふふ・・・なんか愉快。
あ、変な意味はないから。
「さっ着替えだー!それぞれ仕切り壁の向こうは覗くなよー?」
「ばっ・・・そんなコトしねぇよ!」
「男子、盗み見しないでよー?!」
「しねぇって言ってるだろー!」
今日も元気なみんなに冗談を言って輪退社大広間を出て行った。
そして三つ子が寝ている部屋に行く。
ノックしてから入ると、みんなパッチリ目を開いて背筋を伸ばし、ベッドの上に胡坐をかいていた。
「おはよ、起きたね。学校行くよ」
そして私たちは昨日と同じく車で学校まで送ってもらった。