朝、5時に目が覚めた私はそっと部屋から出て洗面所に来ていた。
冷たい水で顔を洗い、ぱっちりと目を開ける。
ふぅー・・・ってん?
鏡に映る自分の首筋に紅い痕が出来ている。
これ・・・キスマーク、だ。
もうっ・・・絶対昨日の夜の零亜だ。
今日の文化祭、うちのクラスはファッションショーをする。
服をジャンルごとに用意して、お客さん自身にコーディネートしてもらってショーに出るんだ。
もちろん私服でもいいコトになっている。
クラスの半分はショーに出て、半分は接客と案内、説明だ。
・・・で、なぜか私はどちらもやるように言われている。
ショーでKing(キング)とQueen《クイーン》を決めて、選ばれた人には賞を用意してある。
クラスかショーに出た人の中で、1人だけ一緒に文化祭を回れるのだ。
ちなみに、拒否権はほとんどなし。
異性恐怖症だったり、外せない用事がある人は断れるけどね。
同性を選んでもいいんだよ。
・・・あーぁ、私は痕が見えない服着なきゃなぁ・・・まぁ、露出が激しい服なんてもともと着るつもりなかったからいいんだけど。
「・・・蓮雅」
「零亜」
鏡に零亜が映る。
「・・・蓮雅がいなくて目ぇ覚めた。蓮雅のせい」
「私のせいなの?」
・・・ってそれより。
「零亜、なんか部屋ある?どんな部屋でもいいから。あ、私は着替えてくるから先に準備はしておいて」
そう言い残して、私は女子更衣室と言われた部屋に向かった。