「奈那ってさ、雅空のこと好き?」
「え…」
私は、雅空のことが好きかどうかはわからない。
これは、本当のこと。
「あ、違かったらいいんだ。それと、答えたくなかったら」
「うん…私も、訊きたいことがあるんだけどいい?」
創紀くんは、うなずく。
「私も、もしかしてなんだけど。香織のこと、好き?」
「マジ…?バレてたのかー‼︎」
「あっ、でも!気づいてるのは、私だけかも」
それはよかったと創紀くんはホッと息をつく。
「あとね、私、創紀くんに言われてから、雅空のこと真剣に考えたんだけど」
「うん。それで?」
おちゃらけてるけど、こういう聞き上手のところが香織は好きなんだろうな。
「雅空のこと、ほっとけないっていうかね。あと、雅空のこと悪口言ってるの聞いちゃって…たぶん、私、いや、ごまかさないで言うね。雅空のこと、好き!」
「よし!お互いの親友に恋した俺たちは仲間だ!あと、雅空は妬まれやすいからなー。まあ、とにかく、頑張ろうぜ!」
コツンと拳をぶつけ合う。
それからしばらくして、2人が戻ってきた。
「ありがと、香織」
「ううん。どういたしまして。よろしくね」
「…あぁ、もちろんだ」
雅空の頬が緩んでる。
「そう言ってくれると思った」
仲良く話す2人を見ていると、なんだか胸がじくじくする。
それは創紀くんも同じみたいで、なんとも言えない顔をしている。
「なんか、苦しいな」
「私もだよ」
そんな会話を交わす。
「お前ら、サボるな!」
先生の怒鳴り声に、私たちは慌てて計画を立て始めた。