凛也さんの家に着くと、すぐに凛也さんが紅茶を入れてくれる。

私と凛也さんはリビングのテーブルにそっと二人で腰掛けた。

凛也さんが焼き菓子を一口頬張る。

「本当に美味しいですね」

「とってもお気に入りのお店なんです!凛也さんの口にもあって良かったです」

凛也さんが焼き菓子をお皿に置いて、私の方に視線を向ける。


「じゃあ、今度そのお店に連れて行ってくれませんか?」


「っ!はい……!」


これから先、もう会う機会がないかもしれないと思っていたのに、すぐに次の約束は出来てしまう。

それでも、次の約束に甘えて、自分の気持ちを言うことを後回しにするのは嫌だった。

だから……


「凛也さんっ!あの……!二週間、本当にありがとうございました。それで、えっと……」


「ゆっくりで大丈夫ですよ」


いつもの凛也さんの優しい声に安心して、私はぽろっと本音がこぼれ落ちた。