「前も言いましたが、少なくとも私は想乃さんの音色に惹かれるものを感じています。多少の失敗で私が想乃さんの演奏を素敵だと思っていることは変わりません」

凛也さんが私と目を合わせる。


「だから安心して演奏して下さい」


きっとその言葉は凛也さんなりの最大級の励ましで。

その言葉に涙が(こぼ)れそうになってしまう。

「凛也さん、本当にありがとうございます」

私は目に溜まった涙を拭って、顔を上げて凛也さんと目を合わせる。


「……私も凛也さんの演奏が大好きです。コンサートに行った日に強くそう思いました」

「だから、凛也さんも安心して演奏して下さい」


私の言葉を凛也さんは静かに聞いていた。