「要らないのなら、他の方に譲りますね」

「え!要ります!欲しいです!」

凛也さんが数秒ほど黙った後、ニコッと笑った。

「まずコンサートを聴いたらもっと練習を頑張って下さい」

「はい……!」

「それと勉強であることを忘れずに」

「分かりました!」


「では、可愛くおねだりして下さい」


「っ!?」


私は動揺して、顔が赤くなっていくのが分かった。