ベッドで苦しそうに顔を歪める青倉の姿が目に飛び込んできた。

目覚まし時計を拾って机の上に置き、ベッドでうなされている彼のもとに駆け寄る。



「梨子ちゃん、体温計持ってきて!」

「わかった!」



指示を出し、青倉の額に手のひらを当てる。



「ごめん……」

「いいって。他にどこか、具合悪いとこない?」

「っ……頭が、痛い」



途切れ途切れに答えながら体を起こした青倉。

顔に赤みはないが、額にはじんわり汗が浮かんでおり、呼吸も少し荒い。


風邪、引いちゃったのかな。

今朝も窓に結露できてたし。
昨日も、日中は暖かかったけど、帰りは風冷たかったもん。

宣伝から帰ってきた時も汗かいてたから、それで体を冷やしてしまったのかもしれない。


ティッシュで汗を拭っていると、梨子ちゃんが戻ってきた。


体温計を渡して熱を測ってみたら、なんと38.5度。

顔色からして微熱かと思いきや、高熱だった。