顔がカーッと熱くなり、水筒のお茶を飲んで体温を下げる。



「希歩は青倉くんのこと、どう思ってるの?」

「……いい人、だとは思ってる」



正直、人柄は好き。

若干騒がしい部分もあるけど、仲が縮まった今は安心というか、心地良さを感じている。


ただ……。



「葛藤、するよね。あんなこと経験したら」

「……うん」

「また傷つくんじゃないかって、怖気づいちゃうよね」



両手の甲が瀬那の手によってそっと包み込まれた。



「でも、彼はそんなひどいことする人じゃないってわかってる」

「うん」

「1度、フィルターを取っぱってみたらどうかな? 男の人じゃなくて、青倉くんとして見てみるの」



瀬那には、男子が苦手になった経緯を話している。

だからこそ、先入観で一方的に決めつけず、安易にはやし立てない。