耳に届いた寝言に目を丸くする。


今のって……私の夢見てるの!?


カーッと顔が熱くなっていく。


振り返ってみれば、青倉、顔真っ赤にしてたっけ。

あの時は一方的にプライベートな一面を暴露されて、怒りと恥ずかしさでわなわなしてたのかなと思っていた。


けど……仮に、図星という意味で赤面していたとしたら──。



「もも、ちゃん、貸して……」



その直後、再び目覚まし時計が鳴り出した。


はははははっ。そっかそっか。ももちゃんと戯れたかったのか。

確かに可愛がってたし、一緒に寝たがってたもんね。勝手に拐おうともしてたし。


わかりましたよ。そんなに好きなら叶えてさしあげますよ……っ!


時計を掴み、顔に近づける。
すると、爆音から逃げるように青倉の手が掛け布団に伸びた。

その隙に起き上がり、抱き枕を押しつける。


このアホ倉っ。朝からドギマギさせやがってっ。
ももちゃんとイチャイチャしまくって寝坊しちゃえ!


スヌーズ機能を解除し、フンと鼻息を鳴らして和室を後にした。