「英……さっきの話聞いててそれはねーだろ……」

「ご、ごめん」

「もお〜っ。なら英が持ってきてくれよぉ〜」

「はぁ!? 嫌よ! そもそもどこにあるのかわかんないし」

「机の上だよ。鉛筆削り機の隣に置いてる」



いや、ちょっ、机って。
あなたも恐ろしい話をしておいてそれはなくないですか!?


言い争うも、らちが明かず。結果、私が折れることに。


お互いの顔を隠すように抱き枕を横向きに置き、眠りに就いたのだった。







──ピピッ、ピピピッ。



眉間にシワを寄せて、目覚まし時計を手探りで止めた。

そのまま時計を掴み、薄く目を開けて時間を確認する。


6時半。よし、今日も時間ピッタリ。

もう少し布団でぬくぬくしたいところだけど、隣からカチャカチャ聞こえるし。秋恵さんのお手伝いをしないと。


掛け布団を剥いで起き上がろうとしたら。



「んんん〜っ……」