そう言わんばかりに首を小さく横に振る。

すると、念が通じたのか、青倉は「あぁ〜、なるほど」と笑いながら頷いた。



「ちげーよ。俺の妹と3人で行ったんだよ」

「ええっ? 3人?」

「デートじゃねーの?」

「じゃあなんで委員長と?」

「それは……」



うっ、ですよね……。

デートじゃないなら、どうして私と一緒なんだよって。

そこは家族じゃないの? って、引っかかるところだよね。


言葉を詰まらせている青倉に目配せし、意を決して口を開く。



「実は、私の親と青倉の親が友達で。妹さんが水族館に行きたがってたんだけど、家族の都合が合わなかったから、付き添ってくれない? って頼まれたの」

「そうそう。小学生を1人で遠出させるわけにはいかねーし。俺だけでも良かったんだけど、1人でも多いほうが安心だよなと思ってお願いしたんだ。委員長、水族館には何回も行ってたみたいだったから」



罪悪感を薄めたいのは青倉も同じらしい。

以前のお弁当配達の時よりも、真実多めで話している。