話を聞くと、イルカショーも私達の2つ隣の席で観ていたという。


全然気づかなかった……。

ん? 待てよ? ということは……。



「声かけたかったんだけど、人違いだったらどうしようかなと思ってさ。それにチビ達……妹達の面倒も見てたからなかなか手が離せなくって。青倉と一緒にいたよね?」



純度100パーセントの質問。

途端に教室中がざわつき始める。



「えええ! 希歩、いつの間にそんな仲良くなってたの!?」

「う、うん。まぁ……」

「青倉くんから誘われたの? それとも希歩ちゃんから?」

「あっちから……」

「くあ〜っ! 水族館デートかぁ〜! 羨ましい〜!」

「いや、デートじゃなくて……」



1つ1つ答えるも、四方八方から絶え間なく飛んできて、最後まで説明ができない。

どうしよう、このままじゃ誤解されちゃう。
一刻も早くみんなを落ち着かせないと……。



「あ、あの……っ」

「なになにー? 俺がどうしたってー?」