淡々と返す青倉に、「ええー! リョウキくん彼女できたんだ〜!」と興奮し始めた梨子ちゃん。


なぜ青倉も同行することになったのか。


遡ること昨夜。

晩ご飯を食べながら秋恵さん達に相談していたら、『俺も一緒に行っていい?』と参加を希望された。

最初は私も、『なんで?』と戸惑ったのだが、青倉いわく、『人数が多いほうが安心だろう』と。


確かに、まだ小学生だもんね。

メイクやオシャレに興味を持つくらい、美意識が高く大人びているけれど、子ども料金で通用する年齢。

さらに電車を使っての外出は初めてともなれば、心配するのも当然だ。



「いいなぁ、彼氏。私も欲しいな」

「おいおい、まだ早いだろ」

「早くないよぉ。こないだの夏祭りで告白されて付き合い始めたって子、隣のクラスにいるもん」



最近の小学生事情を知り、青倉と揃って目を丸くする。


夏祭りで告白。

『ベタではあるけど憧れだよね〜』と焼きそばを頬張りながら瀬那と2人で話していたけれど、そんな若いカップルが誕生してたとは……。



「希歩ちゃんは、彼氏いる?」

「へ?」