特にからかっている様子も、イタズラを企てている雰囲気も見受けられなかったので……。



『なら……お願いしようかな』



彼の人間性を信じて、お言葉に甘えた。

昨日は1人で寝たが、今日は雲が不気味な色をしているため、早速今晩から始めることになっている。


まぁ、添い寝といってもピッタリくっつくわけじゃないし、向かい合うわけでもない。というかそもそも暗いから顔見えないし。

緊張はしても、恥ずかしさはそこまで感じないと思う。


ただ、気がかりなことが2つ。


1つは、青倉の負担にならないか。


学校でも家でも常に誰かとしゃべっているから、1時間もの間、何もせず静かにするのは苦痛じゃないのかなぁって。


もう1つは、気まずくならないか。


毎日話すほどの関係ではないけれど、もし何かやらかして距離を置かれてしまったら……。

苦手意識に拍車がかかって悪化。なんてことは避けたい。


添い寝、どんな感じなんだろう。
青倉の性格的に、何か話しかけてきそうだよね。

「好きな人いるの?」とか、「好みのタイプってある?」とか。修学旅行の夜みたいに恋バナとか始めてきちゃったりして。

で、そのまま1人で盛り上がって寝落ちして……。