私の体調と安全を考慮しての発言だったらしい。


他にも……。



『母さんに頼む手も考えたけど、委員長なら多分、「仕事で疲れてるはずなのにそんな迷惑かけられない」って遠慮しそうだからさ』

『……なんでわかったの』

『そりゃあ、クラスメイトですから。4年も一緒の教室で過ごしてたら、なんとなくわかるよ』



根拠もないのに、自信たっぷりに言ってのけていた。


彼の言った通り、青倉家は共働き。最初から頼む気は更々なかった。

かといって、「じゃあお願い」と二つ返事で受け入れるには抵抗があった。


というのも、私は過去の出来事から、男子に苦手意識を持っているから。


突拍子もないことを言い出して、どんな反応するかを愉しんだり。

執拗にいじって笑い者にしたり。


周囲に配慮せず、好き勝手な言動を取る人が多いと思い込んでいたから、はじめは遠慮する気でいた。


けれど……。



『本当に、いいの?』

『うん。何時間もは無理だけど、1時間くらいまでなら。日付回る前には戻るから安心していいよ』