どうやら青倉から見た私は、時間に厳しいスパルタ委員長というイメージを持っているみたいだ。



「こら、やめなさい。希歩ちゃん困ってるでしょう」



わーわー言い争う2人を眺めていたら、秋恵さんがビシッと叱ってくれた。



「来たばかりなのにお見苦しいところ見せちゃってごめんね」

「いえいえ! 喧嘩するほど仲がいいって言いますし。私一人っ子なので、兄妹喧嘩ってこんな感じなんだなぁって、見てて微笑ましいです」



大丈夫ですよと言わんばかりに笑顔を浮かべる。


生まれて17年間、父と母に挟まれて暮らしてきた私。

父方と母方にそれぞれいとこはいるものの、年に1・2回しか会わないためか、1度も喧嘩したことがない。


本人達からしたらうざったく感じるのかもしれないけど、今まで1人で過ごす時間が多かったから、ちょっと憧れるんだよね。


なんて羨みながら、今度は父親に注意されている2人を盗み見る。

すると、しょんぼりした表情を浮かべた梨子ちゃんが近づいてきた。