バツが悪そうに小さく返事をした青倉。

よほど恥ずかしかったのか、その後は一言も発さず、ずっと下を向いて黙り込んでいた。


それから20分ほど談笑し、玄関にて母を見送った。



「改めてまして、1ヶ月間お世話になります」



リビングに戻り、再度青倉一家に頭を下げた。



「何か手伝えることがあれば、なんでも言ってください」

「なんでもいいの?」

「うん。私にできることなら」

「じゃあ、お兄ちゃんを起こしてくれる?」



弾んだ声色で梨子ちゃんが青倉を指差した。



「お兄ちゃん、目覚ましかけてるのに全然起きなくて。毎日すっごくうるさいの。お願いしていいかな?」

「えーと……そう、だなぁ……」

「おいちょっと、なに勝手に頼んでんだよ。早朝に叩き起こされたらどうすんだよ……!」



慌てた様子で乱入してきた青倉。


まぁ、焦るよね。クラスメイトでも特別親しいわけでもないし。プライベートエリアに入られるのは抵抗あるよね。

でも、そこまで鬼じゃないよ。