「なんてな。急にそっぽ向いたから気になった」

「だからって……なんでくっつくの」

「寒いから。暖房ついてないし」



暖を取りたい、ねぇ……。

だったらそのパーカーの袖を下ろしたらどうです? 肘下まで捲ってるならそりゃ寒いでしょうよ。



「寂しくなるなぁー」

「寂しいって、学校でも会えるでしょ」

「そうだけど、学校だとこんなふうにくっつけないじゃん」



腕の力を強め、さらに身体を密着させてきた。

やっぱり……。手握ってきた時点で怪しいと思ったんだよ。


再び上がってきた体温を下げようと、キュルくんに加えて梨子ちゃんも脳内に登場させるけれど……。



「期末終わったらデートしようよ」

「うん、いいよ。どこ、行きたい?」

「んー、無難に、カフェか公園? のんびりできる場所がいいな。英は?」

「私は……映画館か、イルミネーションが観たい」

「あ〜、それもいいな。来月クリスマスだし」