「1ヶ月間、お世話になりました」

「いーえ。またいつでも来いよ」



ニカッと白い歯を見せて笑った青倉。

屈託のない笑顔に自分もふふふっと頬を緩ませ、こっそり手を繋ぐ。


クラスメイト達から盛大に祝福されたあの日。

元から記事として大々的に取り上げられていたのもあってか、交際に関しても瞬く間に校内に広まって。

生徒だけでなく、なんと先生までもが、「おめでとう」と祝ってくれた。


太陽が雲に隠れて、あたりが薄暗くなると……。



「あぁ〜っ、やっぱ日陰だと寒いな」

「する? 恋人繋ぎ」

「……英って、そんな大胆だったっけ」

「ふふっ、実はね」



驚きつつも照れている青倉に微笑み、指を絡ませた。

手のひら全体がじんわりと温もりに包まれる。


全校公認とはいえど、人目があるため、学校ではクラスメイトと委員長の関係。

だけど……このように人気が少ないところでは、毎回スキンシップを取っている。