まさか青倉のおさがりだったとは。

ん……? でもこの前電話で、棚が壊れてるって言ってたような気が……。



「ただ、色々と詰め込みすぎて板んとこ外れちゃったんだよな。修理したけど、もし外れたらすぐ言って」



サラリと頼もしい発言をし、棚の近くにボストンバッグを下ろした青倉。

あんなに面倒くさがってたのに……私のためにわざわざ直してくれたんだ。



「わかった。ありがたく使わせていただきます」

「おぅ。これからよろしくな、委員長」



ニカッと歯を見せた屈託のない笑顔。

その笑顔に安心感を覚え、自分も同じように「よろしくね」と微笑んで返した。


荷物を全て運び終えた私達は、休憩を取りにリビングに集まった。



「英くん、調子はどんな感じ?」

「少し腰の痛みが引いたって聞いたかな。ただもう部屋が限界寸前みたいでね」

「限界?」

「とうとう足の踏み場がなくなった、とか?」

「ううん。床はまだ見えてるみたいなんだけど、悪臭がするって言ってて。『このままだとあいつがわきそうだから早く来て』って半泣きで言われちゃった」