驚愕する彼らを置いて走り出した青倉。

整理がつかないまま、人気(ひとけ)のない校舎裏に連れてこられた。



「ごめんな、いきなり。ビックリさせたよな」

「う、ううんっ……」



息1つ乱れていない彼に対し、膝に手をついて呼吸を整える。

確かにビックリはしたけど、内心どうやって答えたらいいのかってあたふたしてたから。むしろ連れ出してくれて助かったよ。


って、今はそんなことよりも──。



「あの、さっきの、告白って……」



ようやく呼吸が落ち着いてきても、“告白”の4文字はずっと脳内を慌ただしく駆け回っていて。



「本気……?」

「当たり前だろ。みんなの前であんな冗談言わねーよ」



ゆっくり顔を上げた先には、いつになく真剣な表情で私を見据える彼の姿が。


わかってるよ、そんなのとっくに。

佐藤くんにあんな恐ろしい顔で迫ったんだから。私を困らせるようなことは言わないって。



「ほんとに、私のことが……?」

「好きだよ。本当は同居最終日に言おうと思ってたんだけど……同じクラスになった頃から、ずっと好きだった」