前列にいた女子生徒が恐る恐る尋ねてきた。



「付き合ってるんですか?」

「なんでお家にお邪魔したの?」

「もしかして、マジで一緒に住んでる?」



ざわつき始めた生徒達から次から次へと質問が飛んでくる。


で、ですよね……。

一悶着終わったからって、真相がハッキリしたわけじゃないし。

これだけ大々的に取り上げられたのなら、気になるよね。



「はいはいはい。ちょっと、みんな落ち着いてくださーい」



わらわらと迫りくる彼らを宥めながら、青倉が私の前に立つ。



「簡潔に言うと、付き合ってません! 委員長とは一時的にご近所さんなだけです! 家に入れたのは、妹と母親に見つかってしまって……」



主張するように答える広い背中を見ていると、ふと青倉がこっちに振り向いた。

そしていきなり、私の右腕を掴んできて……。



「本当は、一緒に帰りたくて──告白しようと思って誘ったんだ」

「え……?」

「でも、さっきのゴシップ記者くんに邪魔されてできなかったので、今からしてきますっ!」

「え、ええっ!? ちょっ……」