彼の胸ぐらを掴み、殺し屋の目つきで睨みつけた。



「嫌がってんのに、連日追っかけ回して」

「うぐっ……じょ、冗談だって」

「冗談でもやっていいことと悪いことの判別くらいつくだろーが。言っとくけど、あんたがやってること、逆恨みだからな?」

「青倉っ……!」



今にも殴りかかりそうな勢いだったので、慌てて止めに入る。



「お願い、やめて」

「っ、でも」

「私は大丈夫だから。みんな味方になってくれたから」



私が歯向かったように、きっと青倉も許せなかったんだと思う。私も青倉の立場だったら、黙ってなんていられないもの。

だけど、ここで手を出したら、守ってくれた今までの日々が全部無駄になってしまうから。


ブレザーの袖を掴んで訴えかけると、悔しそうに眉毛を寄せて。



「次またふざけたマネしたら──……からな」



耳元でボソボソと囁き、胸ぐらから手を離した。

その場にいる全員が、ホッと安堵した──のも、束の間。



「そこ、何やってるんだ?」