駆け寄ってきた梨子ちゃんの後ろから、秋恵さんと、ハーネスに繋がれたキュルくんがやってきた。
下校中にバッタリ遭遇し、お散歩しながら帰っていたとのこと。
「こんにちは〜。お兄ちゃんのお友達ですか?」
「え……! あぁ、えっと……」
キュルくんを抱っこして挨拶した梨子ちゃん。
この角度からは顔は見えないけど、声色と体の動きから、焦りが見える。
いがみ合っていた相手の妹に友好的な態度で来られたら、しどろもどろにもなるよね。母親もいるし。
「あ、それとも、希歩ちゃんのお友達ですか?」
「っい、いえ! 落とし物を届けただけで……っ! し、失礼しますっ!」
キラキラ笑顔の重圧に耐えきれなかったらしい。
早口で言い残した後、勢いよく頭を下げ、逃げるように去っていった。
*
「──英、開けていい?」
「はーい、どうぞ」
夜の11時過ぎ。
布団を敷きつつふすまに目を向けると、寝具を持った青倉が現れた。
下校中にバッタリ遭遇し、お散歩しながら帰っていたとのこと。
「こんにちは〜。お兄ちゃんのお友達ですか?」
「え……! あぁ、えっと……」
キュルくんを抱っこして挨拶した梨子ちゃん。
この角度からは顔は見えないけど、声色と体の動きから、焦りが見える。
いがみ合っていた相手の妹に友好的な態度で来られたら、しどろもどろにもなるよね。母親もいるし。
「あ、それとも、希歩ちゃんのお友達ですか?」
「っい、いえ! 落とし物を届けただけで……っ! し、失礼しますっ!」
キラキラ笑顔の重圧に耐えきれなかったらしい。
早口で言い残した後、勢いよく頭を下げ、逃げるように去っていった。
*
「──英、開けていい?」
「はーい、どうぞ」
夜の11時過ぎ。
布団を敷きつつふすまに目を向けると、寝具を持った青倉が現れた。