歩を進めて住宅街の中へ。
他愛もない話で盛り上がりながら青倉家に向かっていると、突然。
「英、わりぃ」
「えっ、な、なに?」
「……つけられてるかも」
ボソッと耳元で呟かれ、彼の指示で歩く速度を落として耳を澄ます。
すると──後ろから、コツコツと地面を蹴る足音と、カラカラカラと自転車を押す音が。
いや、そんな、まさか。
ご近所さんか、他校の人なんじゃないの?
早とちりは良くないぞと自分に言い聞かせて、何度か足を止めてみるものの。
「嘘っ、なんで……っ」
止まれば、消えて。
また歩き出せば、また聞こえてきて。
ドク、ドク、ドク、と心臓が不吉な音を立て始めると同時に、全身の血の気が引いていく。
「英、俺の後ろに隠れてて」
顔が青ざめていくのを感じながら、公園の前で動けずにいると、青倉がその場に自転車を停めて……。
「俺らになんの用?」
勢いよく振り返った彼に続いて、自分もゆっくりと後ろを向く。
「なーんだ、気づいてたんだ」
「このあたりは静かだからな」
他愛もない話で盛り上がりながら青倉家に向かっていると、突然。
「英、わりぃ」
「えっ、な、なに?」
「……つけられてるかも」
ボソッと耳元で呟かれ、彼の指示で歩く速度を落として耳を澄ます。
すると──後ろから、コツコツと地面を蹴る足音と、カラカラカラと自転車を押す音が。
いや、そんな、まさか。
ご近所さんか、他校の人なんじゃないの?
早とちりは良くないぞと自分に言い聞かせて、何度か足を止めてみるものの。
「嘘っ、なんで……っ」
止まれば、消えて。
また歩き出せば、また聞こえてきて。
ドク、ドク、ドク、と心臓が不吉な音を立て始めると同時に、全身の血の気が引いていく。
「英、俺の後ろに隠れてて」
顔が青ざめていくのを感じながら、公園の前で動けずにいると、青倉がその場に自転車を停めて……。
「俺らになんの用?」
勢いよく振り返った彼に続いて、自分もゆっくりと後ろを向く。
「なーんだ、気づいてたんだ」
「このあたりは静かだからな」