「今日、裏から帰ろうか。絡まれると厄介だし」

「あー……そう、だね」



瀬那の時は何事もなかったけど、青倉は1度接触している。

不穏な空気感で終わったので、正門からだと喧嘩を売ってくる可能性も充分ある。


提案を受け入れ、裏門から出ることに。

学校を後にし、歩道を横並びで歩く。



「津野から聞いたけど、今朝も、いたんだな」

「あぁ……うん。でも、絡まれてはないから大丈夫だよ」



無事だと伝えるも、不安げな表情は晴れることはなく。はぁ……と悔しそうに溜め息をついて。



「……俺、そんな頼りない?」

「えっ」

「津野に全部聞いた。というか、問い詰めた。佐藤ってやつに会ってからよく疲れた顔してるから、何かあったのかって。そしたら、ずっと付きまとわれてるって……」



悔しそうに唇を噛んでうつむいた青倉。

自分の口から話したいからという理由で口止めしていたけれど……やはり、無理があったか。