スクールバッグを肩にかけたタイミングで青倉に声をかけられた。



「一緒に帰らない? 途中まで」

「え」

「ごめん急に。津野から、私の代わりにお願いって頼まれてさ」



あぁ、そういうこと。
だから掃除時間中、話し合ってたのか。



「いい、けど……部活は?」

「今日は先生が出張でいないから休み。そっちは、用事ない?」

「うん。じゃあ、お言葉に甘えて……」



「ありがとう」とお礼を言い、2人で教室を出た。

昇降口で靴を履き替え、一緒に駐輪場へ。


すると、青倉のスマホがブーッブーッと鳴り始めて……。



「……英は愛されてるなぁ」

「え、なに、どうしたの」

「津野から、校門にやつがいたって」



そう言われて自分もスマホを開いてみると、同じ内容のメッセージが瀬那から届いていた。

漢字の変換ミスでとんでもない文章になってるけど、急いで教えてくれたんだなと思うと、胸がじんわりと温かくなる。