【……上手く、いってないのか?】

「いや、勉強は問題なくて。ちょっと、その……」



“実は、佐藤くんに会っちゃったんだ”

“また鉢合わせたらと思うと怖くて、1日中落ち着かないの”


同じ部屋にいたなら、躊躇わずに打ち明けていただろう。



「色々と、忙しくて。私、委員長だからさ」



笑顔を貼りつけて誤魔化したけれど、口角が片方しか上がってくれず。引きつった笑顔が画面上部に映った。



「何かと頼られることが多くて、それで疲れてるというか」

【休めてはいるのか?】

「大丈夫。夜遅くまで居残りとかはないし。副委員長の子もいるから、なんとか」



両親は、私が苦しんできたことを知っている。
というより、目の当たりにしている。


特に父は、私のために全力で戦ってくれた。


学校に乗り込み、先生と彼を呼びつけ、抗議して。

建てたばかりの家を手放そうとしてまで、私を守ろうとしてくれた。



【……そうか。毎日頑張ってるんだな】

「……うん」