昼休み。琉美絵に頼まれて、私は無世のところに話しかけに行った。
「ねぇ無世。」
「ん?」
「こっちの子。私の友達の小川琉美絵。」
「小川琉美絵だよ。よろしくね。」
「は、はぁ……。」
無世は急になに?とでも言いたそうな顔で私を見ている。まぁそうなるよね。自分から話しかけに行けって琉美絵にも言ったのに……。
「こんにちは。私は琉美絵の友達の小川李江。琉美絵のつきそい。琉美絵の魅力を紹介しに来たの。」
「……はぁ?」
今度は声に出てしまった無世。……いや、攻めすぎだよ、李江ちゃん!
「……まぁ、まぁ無世くん!あのさ、家庭科部に入らない?」
琉美絵が言った。それは、李江ちゃんのアドバイス。まずは同じ委員会でも部活でも入ること。そうすることで仲を縮めていくのだとか。
「……家庭科部?」
「そう。料理したりお裁縫をしたりするの。人数少ないし、無世くん、入らない?」
「いや、僕は……。」