初めてのデートは横浜へのドライブ。



峰岸は左ハンドルのオープンカーで颯爽と現れた。



ランドマークタワー、クイーンズスクエア、そして赤レンガ倉庫から山下公園へ。



まるでドラマの中の一場面のような完璧なエスコートだった。



潮風を浴びながらカフェテラスでお茶を、港を一望できるムーディーなダイニングバーでディナーとカクテルを。



ロマンチックなベイブリッジの夜景を堪能した後、止めた車の中で唇を重ねた。



それは、美里にとって生まれて初めての記念すべきキスになるはずだった。



「美里ちゃん…かわいいよ」



「峰岸…くん…」



シンデレラのように突然舞い降りた幸せに、頬を一雫の涙が伝う。



しかし、12時の時報とともに魔法は溶けた。



いきなり峰岸の手が強引にスカートの中をまさぐってきたのだ。



「えっ…や、やめてっ!」



思わず声を上げて拒んだ時、峰岸の顔から優しい笑みは消えていた。