「いつものことですよ」
「はぁ…」
「あいつら、あれで結構楽しんでるんです。
教室の後ろでじゃれ合ってる中坊みたいなもんで…
ああ、俺はハルさんと同じ商学部二回の金子修司っす。
あっ、あなたのことは博士いや、賢からいろいろ聞いてますから。
俺も一浪してるから、本当は美里さんと同級生で…おおっ、きたきた!」
エプロンとお揃いのミトンで熱いシチューがたっぷり入った鍋をつかみ、そろりそろりと部屋に入ってきた美里は、修司の顔をもう一度ちらりと見て、軽く会釈した。
へぇ。賢ちゃんの友達にしちゃあ、そつがないっていうか、分別があるっていうか、今はこういうのがモテるタイプなのよね。