はじめはキャンパスでよく見かけるな、という程度だった。
しかし、近所のコンビニで鼻歌混じりに雑誌を立ち読みしながら、ふと向けた視線の先にその男の姿を見つけた時、背筋にゾゾッと悪寒が走った。
つけられて…る?
考えたくないと思えば思うほど膨らんでゆくおぞましい予感は彼女を震撼させた。
美里が間借りしている伯母の家は、東京といっても神奈川県との境目だから、大学からは一時間半もかかるし、電車だって三回も乗り継ぐ。
偶然なんてあり得ない。
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