翌日目覚めると、もう日は西に傾こうとしていた。
昨夜は悪夢にうなされ、何度も目が覚めたが、空が白々と明けてくると安心したように意識が途切れ、夕方まで爆睡してしまった。
起き上がって冷蔵庫を開けたが、何も収穫は獲られなかった。
それもそうだ。
大阪から帰ってきて、そのまま拘束されるはめになってしまったのだから。
水道水でひとしきり喉を潤した後、コンビニでも行こうかと玄関のドアを開けた時、郵便受けに挟まっていた封書がポトリと落ちた。
当面の食料を買い込み、コンビニから出ると夕暮れが迫っていた。
ブルーグレーとピンクの雲が重なり合う幻想的な光景の中に真中美里の姿が浮かび上がる。
その隣で彼女を見つめていた男が振り返り、怒りに燃える目を勇介に向けた。
『美里さんを苦しめるやつは許さない』
苦いものが込み上げ、勇介は頭を振った。