「こんばんは」
浴衣姿でベッドの背にもたれていた瑛子は、予想外の見舞い客に一瞬困惑の表情を浮かべたが、すぐに不敵な笑みを返してきた。
「ふん。ご覧の通りよ。言ったでしょ?勇介はあたしの命だって」
美里は奥歯をギュッと噛みしめ、うつ向いた。
瑛子はそんな美里につけ入る隙を与えず、一気にまくし立てた。
「さっさと田舎に帰るんだね。
あんな男に関わってても、この先ロクなことないよ。
こんな疫病神がついてるんじゃね。
あははは…」
瑛子の笑い声を聞いているうちに、美里の中で頂点に達していた緊張の糸がぷつりと切れた。
「それで満足ですか?自分のからだを犠牲にして、愛されてもいない人を繋ぎとめようとして…」