同じような年頃の子供は近所に住んでるのかしら。
学校にはちゃんと通えてるのかしら。
予想通り、美里が目指した先はアカツキ荘とまったく瓜二つの薄汚れた建物だった。
もし、亜弓の父親がいたらどうしよう。
もし、昼間っから酒を飲んでいたらどうしよう。
美里は首をぶるっと震わせて邪念を振り払うと、固く握りしめた拳でドアを叩いた。
「すみません。お留守ですか」
返事はなかった。
そっとドアに耳を寄せると、ゴトリと物音がした。
「あのぉ、わたし、亜弓ちゃんの…」
ガチャガチャとチェーンを外す音がして、中から一人の少女が怯えたような目を覗かせた。
「亜弓ちゃん!」