美里は学校帰りの小学生の流れに一人逆らいながら、スクールゾーンを辿っていた。
自分が何てバカげたことをしてるのか、わかってるつもりだった。
いくらしっかりしているとはいえ、小学生になんとかしてもらおうなんて。
それに、一度遠足の付き添いをしただけの大学生が簡単に学校に入れてもらえるのかどうか。
学校が近づく度に不安は大きくなってくるが、かといって今さら引き返す気にもなれず、赤やピンクのランドセルをしょった女の子を見つける度に、亜弓の面影を捜して目を凝らした。
ニュースで連日のように連れ去り事件が報じられているわりには、この学校の安全対策はずさんだった。
小学校侵入に難なく成功した美里は、先生らしき人に学童保育の教室もすぐに教えてもらえた。
こんなんでいいのかな。