「何かやりたいことがあるのか?」
「まだ、答えは出てないけど…でも今は一人で探したいの。
ねぇ、女は男の支えになるだけなの?
わたしだって自分だけの夢を追いかけたいわ」
勇介は白い歯を見せて笑った。
「いいじゃないか、それで」
「え?」
「おまえはおまえだけの夢を探せばいい。二人で違う夢を追ったらいいじゃないか」
勇介はニヤリと笑うと、伝票を取って立ち上がった。
「瑛子が店に出かける前に話をつけてくる。五時までには戻るから、もう一度ここで会おう。夢の続きはそれからだ」
「ちょっと、井ノ原くん?!わたし…こない…から…」