「えっ…」
「おまえの光は強い。そばにいてくれるだけで、プラスの力が湧いてくるような気がする」
「そんなの…」
ズルイ。
美里はその三文字を声になる前に呑み込んだ。
生き方を変えるってそういうこと?
何だかんだ言っても、結局は瑛子さんからわたしに乗り換えるってこと?
その方が都合がいいから?
言いようのない怒りが頭をもたげた。
しかし、そんな憤りの中に、ときめいている自分を感じる。
そんな自分もズルイと思う。
醜いと思う。
「わたしは強くなんかないわ。おかしいわよ、そんなの。瑛子さんを踏み台にして、賢ちゃんの気持を踏みにじって、そんな都合のいい話ないわよ!」