「そうじゃない。瑛子は俺など愛していない。

おまえには理解できないだろうが、あいつは人を愛することができないやつなんだ。

あいつは別に、俺でなきゃダメってわけじゃないんだ。

多分、ただ…温もりがほしいだけなんだ」



そんな…



「俺はこのままじゃダメになる。勝手だけど、あいつがいたら俺は変われ…」



「そうよ、勝手よ。今までどれだけ瑛子さんに助けられてきたの。今度はあなたが支えてあげる番じゃない」



勇介は毅然と言い切った。



「あいつの背負った傷は俺の何倍も深い。

残念だけど、俺にはあいつを救う自信はない。

一人で精一杯だ。

いや…真中、おまえが心の支えになってくれたらと思ってる」