大学前駅に輸入食品を扱ったスーパーがある。



カオルは車を停めると、急に不機嫌になった勇介を助手席から引きずり降ろした。



「何怒ってるのよ」



「別に。ただ、スーパーって生活感丸出しって感じで嫌なんだ。俺、ここで待ってるから」



「えーっ、この店お洒落じゃない。こんな所で二人して買物したかったのよ!ねぇ、行こうよ~」



カオルのブーイングを無視した勇介は、入口近くの喫煙ベンチに座り、早速煙草に火をつけた。



「もう!」



勇介は煙草をくゆらせながら、カオルがプリプリお尻を振りながら消えて行った生鮮食料品売場をなんとなく眺めていた。



が、突然、その手の動きが止まった。