「で、何やってるの?」



「えっ、何が?」



「専攻よ」



美里はせっついた。



「えっ、ああ、生物学を…少し…」



「ダーウィンの進化論とか?遺伝子とか…あ、ジュラシックパークみたいな?」



美里が人差し指を立てて男の顔を差すと、男はブンブン首を左右に振った。



「そんな、大それたもんじゃないっす。まぁ、一言で言うなら、昆虫採集…みたいな」



「…昆虫採集…みたいな?」



「え、ええ、まぁ…」



「へぇーっ、今どき珍しい」



「よく言われる。俺、今どきのやつじゃないから」